
4つの承認 ── 人を動かす「認め方」の技術
── 結果・行動・成長・存在をどう見つめるか
人が前向きに成長するためには、「叱る」よりも「認める」関わりが欠かせない。 承認には「結果」「行動」「成長」「存在」という4つの段階があり、どれも相手との信頼関係を育む基礎となる。 この記事では、それぞれの承認の意味と使い方、実践のポイントを紹介する。
1. 「承認」とは何か
人は誰しも「認められたい」という欲求を持つ。 承認とは、相手の存在や行動を価値あるものとして認め、 「あなたを見ている」「あなたを大切に思っている」と伝える行為である。
この承認の積み重ねが、信頼・安心・やる気を育て、 チームや組織の一体感を高める。
2. 承認の4つの種類
① 結果承認(成果承認)
内容: 目標の達成や具体的な成果を認める承認。
例:
- 「目標を達成したね」
- 「契約を獲得できて素晴らしい」
成果をしっかり認めることで、努力の方向性を明確にし、達成感を共有できる。
② 行為承認(行動承認)
内容: 結果に至るまでの努力や行動を評価する承認。
例:
- 「提案書を丁寧に作成してくれて助かった」
- 「期日までに準備を終えてくれてありがとう」
行為承認は、結果が出なかったときでも"プロセスを大切にしている"というメッセージになる。
③ 成長承認(可能性承認)
内容: 本人が気づかない成長や改善を見つけて伝える承認。
例:
- 「前回の発表より説明がわかりやすくなったね」
- 「以前よりも落ち着いて対応できていた」
成長承認は、相手の"内発的モチベーション"を高める。 「見てくれている」「認めてもらえた」と感じた瞬間、人は変わる勇気を持つ。
④ 存在承認
内容: 成果や行動に関わらず、相手の"存在そのもの"を認める承認。
例:
- 「いつも挨拶してくれて嬉しい」
- 「あなたがいてくれると安心する」
存在承認は、信頼関係の根幹。 「あなたがいることに意味がある」と伝えることが、心の支えになる。
3. 承認を活かす3つのポイント
① よく観察する
行動・表情・努力の変化を"見ている"ことが、承認の前提。 観察とは、相手への関心の証である。
② バランスよく伝える
成果だけでなく、プロセスや人柄も含めて承認する。 一方向ではなく、4つの承認を"バランスよく回す"ことで効果が高まる。
③ タイミングを逃さない
承認は「即時性」が命。 その瞬間に伝えることで、行動が強化され、次の挑戦意欲につながる。
4. まとめ ── 承認は「人を育てる力」
承認とは、甘やかすことではなく、相手の価値を見つけて伝えること。 リーダー、上級生、保護者、仲間…誰であってもできる"人を育てる関わり"である。
見る → 認める → 支える。 その繰り返しが、チームを強く、心を豊かにしていく。
