リーダーシップ

チームがまとまらない本当の理由 ― 「同じ景色が見えていない」だけだった

7分
職場でビジョンを共有するメンバーたち

チームにまとまりがないのは、性格の不一致でもコミュニケーション不足でもない。本当の原因は「同じ景色を見ていない」こと。会議や情報共有を増やすより、まず全員で「何を目指すのか」を明確にする。ビジョンが共有された瞬間、チームは自然と一つに動き始める。

1. 「話しているのに、まとまらない」チームの共通点

「ミーティングを増やした」「LINEで情報共有した」「顔を合わせる機会を作った」。
それでもチームがバラバラのまま――そんな経験はありませんか?

実は、会話量の多さ=一体感ではありません。
表面上の報告や共有が増えても、心の中では「他人事」のまま。
視線が合わず、会話に温度がない。
それは、目的が共有されていない状態です。

2. 問題は「情報不足」ではなく「ビジョンの欠如」

ある時、リーダーが言いました。

「みんな頑張ってるけど、何のために頑張ってるか分からない」

この言葉にハッとしました。
確かに、方向が定まらないまま動いていたのです。

人は「やる理由」が見えないと動けない。
同じチームにいても、目指すゴールが違えば協力は生まれません。

チームがビジョンを描くワークショップの様子

3. ビジョンを"作る"のではなく"見つける"

そこで始めたのは、ビジョン作成会議。
でも最初は、誰もが"きれいな言葉"しか言いません。

  • 「社会に貢献したい」
  • 「お客様を笑顔に」
  • 「信頼されるチームに」

どれも間違いではない。
けれど、それでは心が動かない。

本当のビジョンは、本音の中から見つかる。
「本当にそれがやりたいの?」と何度も問い続ける。
言葉が削ぎ落とされていくと、やがて"共通の想い"が浮かび上がる。

4. 共有したビジョンが「日常の軸」になる

ビジョンは作って終わりではない。
日常に浸透させてこそ力を持つ。

  • 会議で迷った時の合言葉:「それは目指す方向に合ってる?」
  • 職場の壁に掲示し、朝礼で一文ずつ読み合わせる
  • 行動評価の基準をビジョンと紐づける

これを徹底した結果、チームの空気が変わり始めた。
目線が合い、互いに助け合う文化が生まれた。
「俺には関係ない」が「手伝うよ」に変わった。

半年後、離職率が下がり、効率が向上。
1年後には取引先から「チームワークがいいですね」と言われた。
職場に笑い声が戻り、メンバーの目に光が宿った。

共通の目標を持つチームの協働風景

5. 結論:「もっと話そう」ではなく「何を目指すかを決めよう」

チームがまとまらないのは、
話し合いの量ではなく、共通のゴールがないから。

今日から「会話を増やそう」ではなく、
『何を目指すのか決めよう』に変えてみてください。

ビジョンは、組織の"羅針盤"。
同じ景色が見えた瞬間、チームは自然と一つになります。

ブログ一覧に戻る
この記事をシェア