リーダーシップ

J1町田・黒田剛×藤田晋が語る「勝てる組織」の作り方——なぜ"高校教師"がプロで通用するのか?

スポーツとビジネスの融合、戦略的な対話をイメージさせる写真

J1で快進撃を続けるFC町田ゼルビア。なぜ藤田晋オーナーは、プロ経験のない「高校サッカーの名将」黒田剛氏を監督に抜擢したのか? その背景にある徹底した「差別化戦略」と、黒田監督の最大の武器である「言語化能力」、そして両者に共通する「勝負の鉄則」を読み解く。

はじめに

「高校サッカーの監督に、プロが務まるのか?」 就任当初、そんな懐疑的な声を結果で黙らせてきたFC町田ゼルビアの黒田剛監督。 その背景には、オーナーである藤田晋氏の「常識を疑う経営判断」と、黒田監督の「緻密なマネジメント」がありました。

GOETHEの特集記事『J1町田がブレない理由とは。黒田剛&藤田晋が語る【まとめ】』から、ビジネスにも通じる勝利の哲学を紐解きます。

1. なぜ「高校教師」だったのか? ——藤田晋の差別化戦略

藤田氏が黒田監督を抜擢した最大の理由は、「差別化」です。

差別化戦略の核心

サッカーは「ゼロサム」の超競争社会

誰かが勝てば、誰かが負ける。他と同じことをしていては勝てない。

「経験者」より「未知の魅力」

結果が出ていない「プロ監督経験者」をリサイクルするより、全く違う分野(高校サッカー)で圧倒的な実績を持つ人物に賭ける方が、革新的な変化(イノベーション)を起こせる。

ビジネス同様、「前例がない」ことこそが、最大の競争優位性になるという判断でした。

2. 人を動かすのは「言語化能力」

藤田氏が黒田監督の強みとして挙げるのが、「高い言語化能力」です。

スタジアムで指揮を執る監督と選手の対話シーン

言語化能力の3つのポイント

「頑張れ」では動かない

限界まで走った選手に精神論をぶつけても逆効果。

相手に合わせる技術

「いま、選手はどんな言葉を聞きたいか?」を察知し、かける言葉やタイミングを一人ひとりに合わせて変える。

黒田監督にとって、言葉選びは「準備」そのもの。自分の言いたいことではなく、「相手がパフォーマンスを発揮しやすい言葉」を探し続けることが、リーダーの日課だといいます。

3. 「プロセス」は勝って初めて評価される

二人に共通するのは、徹底した「結果主義」と「スピード感」です。

勝ってこそプロセスも輝く

負ければプロセスは評価されない。だからこそ、綺麗事ではなく「泥臭くても勝つ」ことにこだわる。

今のベストを尽くす

「2〜3年待つ」といった長期目線に逃げず、「今この瞬間に何ができるか」を追求する実行力。

4. 組織の「感覚」を統一する

黒田監督は、「学校でも会社でもプロでも、組織運営の根幹は同じ」だと語ります。

組織の統一感と共通認識を示すイメージ

組織運営の2つの柱

1

意図の共有

チーム全員が「同じ絵」を描けているか。

2

武器の徹底

町田にとってのロングスローのように、自分たちの強み(武器)を迷いなく徹底できるか。

「プロだから個人の自由に」ではなく、プロだからこそ「組織としての規律と共通認識」を徹底する。それがブレない強さの秘訣です。

結論

FC町田ゼルビアの躍進は、偶然ではありません。 「常識にとらわれない人事(戦略)」と「言葉を尽くすマネジメント(戦術)」が見事に噛み合った結果です。

あなたの組織でも、「業界の常識」や「なんとなくの慣習」に縛られていませんか? 黒田・藤田両氏の視点は、停滞を打破する大きなヒントになるはずです。

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