マーケティング

AI時代に勝つのは「スナック」だ。脱・規模拡大の「ディープメディア」戦略

AI時代の冷たいデジタル社会と、人間味あるスナックの対比

はじめに

「フォロワー数を増やしたい」「バズらせたい」。

もしあなたが今もそう考えているなら、その戦略は少し古いかもしれません。

連続起業家の福田淳氏と東京科学大学教授の柳瀬博一氏の対談から見えてきたのは、「オープンなSNSから、クローズドなディープメディアへ」という巨大な地殻変動です。AI時代におけるコンテンツビジネスの「次の一手」を読み解きます。

1. 若者のSNS離れと「リアル」への回帰

驚くべきことに、16〜24歳の若年層におけるSNS利用は2022年にピークアウトしたと言われています。

「バズ」への疲れ

  • AIが生成する中身のないコンテンツ
  • 匿名SNS特有の誹謗中傷

移行先

  • X(旧Twitter)のような広場から、LINEやDiscordといった「閉じられた場所」へ
  • 「リアルな体験」へ

若者たちは今、デジタルの喧騒を離れ、「本物の体験」や「対面に近いコミュニケーション」を求めて移動し始めています。

2. AIが進化するほど「ハンドメイド」が輝く

AIやCGがどれほど精巧になっても、いや、なればなるほど、人々は「人間が作ったもの(ハンドメイド)」に価値を見出します。

エンターテインメントの本質は「人の感情や意思」です。作り手の顔が見えないAI生成物は、効率的であっても人の心を深く動かすことは難しい。

これからは、不完全であっても「人間が汗をかいて作ったもの」がラグジュアリーな価値を持つようになります。

AIと人間のハンドメイドの対比イメージ

3. 「広さ」より「深さ」。ディープメディアの時代

そこで注目されているのが、ポッドキャストに代表される「ディープメディア」です。

文字や画像だけの薄いつながり(オープンメディア)ではなく、音声や動画による「親密なエンゲージメント」が重視されます。

ポッドキャストのリスナーは、単なる情報の受け手ではなく、パーソナリティを信頼する「部族(トライブ)」のような熱狂的なコミュニティを形成します。

広くて浅い海(SNS)と、狭くて深い泉(ディープメディア)を対比したイメージ図

4. 成功の鍵は「150人の村」と「スナック化」

AIが「うまく作ること」をコモディティ化(誰でもできる化)した今、重要なのは「誰がやっているか」という人柄(パーソナリティ)です。ここで2つのキーワードが登場します。

① 150人の村(ダンバー数)

人間が安定して信頼関係を維持できる上限は約150人と言われます。何万人ものフォロワーに向けて叫ぶのではなく、この「顔の見える150人」を熱狂させることが重要です。

② ビジネスの「スナック化」

目指すべきは、チェーン店のような拡大路線ではなく、「スナック」のような運営です。

  • 店主(クリエイター)の魅力で人が集まる
  • 客(ファン)同士がつながり、コミュニティができる
  • 規模は追わず、関係の「深さ」で永続させる

結論

これからの時代、AIに任せられる「効率」はAIに任せればいい。

人間に残された勝機は、「実名性」「人間味(ハンドメイド)」、そして「狭く深いコミュニティ(ディープメディア)」の構築にあります。

「100万人の知らない誰か」より、「信頼できる150人」へ。

あなたのビジネスも、そろそろ「スナック」の看板を掲げてみませんか?

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