思考法・スキル / コーチング読了時間: 10分
「正解」を探すな、「問題」を探せ。AI時代に価値が逆転する『解く力』と『問う力』
はじめに:優等生が社会で苦しむ理由
「学校の成績は良かったのに、仕事では成果が出ない」
「言われたことは完璧にやるが、指示がないと動けない」
こうした悩みの原因は、能力不足ではありません。
使っている「脳のモード」が違うのです。
彼らは「解を導く力」は高いが、「問いを立てる力」が鍛えられていないのです。
1. 受験脳(How)と探究脳(What/Why)
この2つの力は、全く別物です。
解を導く力(Solving / How):
- 定義: 与えられた問題に対し、既存の公式や知識を使って正解を出す力。
- 特徴: 受験勉強で鍛えられる。速さと正確さが勝負。
- AIとの関係: AIの独壇場。 計算、検索、要約など、人間は勝てない。
問いを立てる力(Asking / What & Why):
- 定義: 何も問題がないように見える状況から、「ここがおかしい」「もっとこうできるはずだ」という課題を発見する力。
- 特徴: 研究やビジネス、アートで鍛えられる。正解はない。
- AIとの関係: 人間の聖域。 AIは命令(プロンプト)がないと動けない。
これからの時代、「解く」ことはAIやツールに任せれば済みます。
重要なのは、「何を解くべきか?」を定義できる人間になることです。
思考プロセスの逆転:解決から課題設定へ
2. 野球における「問い」の不在
スポーツの指導現場でも、同じことが起きています。
監督が常に「こうやって打て」「ここに投げろ」と「解」を与え続けていると、選手は「どうすれば監督の言う通りにできるか(How)」しか考えなくなります。
これでは、試合で想定外のことが起きた時に思考停止します。
- 「なぜ、最近打てないのか?」(問い)
- 「今のフォームは、本当に自分に合っているのか?」(問い)
一流の選手は、自らに質の高い「問い」を投げかけ続けられる人です。
指導者の役割は、答えを教えることではなく、「君はどう思う?」と問いかけ、選手の中に「問い」を発生させることであるべきです。
3. 良い「問い」が良い「解」を生む
アインシュタインはこう言いました。
「もし地球を救うために1時間の時間が与えられたなら、私は55分を問題の定義(問いを立てること)に使い、残りの5分で解決策(解)を考えるだろう」
解決策が陳腐なのは、たいていの場合、問いの設定が浅いからです。
「どうすれば売れるか?」というありきたりな問いからは、ありきたりな解しか出ません。
「そもそも、なぜ人はそれを買わないのか?」と問いの角度を変えた時、革新的なアイデアが生まれます。
結論:クエスチョンマークを持て
「解を導く力」は、マニュアルと過去の中にあります。
「問いを立てる力」は、好奇心と未来の中にあります。
今日から、安易に「正解」を検索するのをやめてみましょう。
代わりに、目の前の現実に「?」を浮かべてください。
そのクエスチョンマークこそが、あなたの進化のトリガーです。
