企業が嘆く「若手の変化」。デジタルスキルより深刻な『熱量不足』を救えるのは、スポーツの現場しかない
はじめに:企業が突きつけられた「残酷なデータ」
先日、非常に興味深い動画とデータを目にしました。企業の採用担当者が感じる「近年の学生の変化(2020〜2025年)」について議論されたPIVOTの動画です。
▼参照動画:
https://youtu.be/G-6q7Y5KUUw?si=kCBk6rMmzJvBajVi
動画内で紹介されたデータ(添付画像)を見ると、現代の若者が抱える強みと、決定的な「欠落」が一目瞭然です。
1. 左は「スキル」、右は「人間力」
グラフをざっくりと分解してみましょう。
上がったと感じるもの(左側・オレンジ):
- デジタルスキル、データリテラシー
- リモートワーク適性
- 真面目さ、社会貢献意識
下がったと感じるもの(右側・緑色):
- コミュニケーション能力
- エネルギーと情熱
- 積極的な態度、リーダーシップ経験
私の解釈はこうです。左側は「社会人になってからでも身につけられるスキル(OSのアップデート)」であり、右側は「学生時代に、スポーツや集団生活を通じて身につけておくべき土台(OSそのもの)」ではないでしょうか。
2. PCは教えられるが、情熱は教えられない
企業研修でExcelの使い方やデータ分析の手法を教えることは簡単です。しかし、「エネルギーと情熱を持って取り組め」や「リーダーシップを発揮しろ」というのは、座学で教えられるものではありません。
これらは、泥臭いグラウンドで声を出し、チームメイトと衝突し、悔し涙を流すような「生々しい体験」の中でしか育まれないものです。今の社会で不足している(緑色の部分)と言われる要素こそ、私たちスポーツ指導者が現場で提供できる最大の価値です。
3. 「社会人基礎力」と「Ota Method」の合致
この課題感は、国や私たちのメソッドとも完全にリンクしています。
経済産業省「社会人基礎力」:
- 「前に踏み出す力(アクション)」
- 「考え抜く力(シンキング)」
- 「チームで働く力(チームワーク)」
これらはまさに、グラフの右側(緑色)の要素そのものです。
Ota Method「人間力7要素」:
挨拶、返事、掃除、道具の手入れ…といった凡事徹底。これらは単なる礼儀作法ではなく、他者と関わり、場を整え、自分自身を律するためのトレーニングです。
AIが台頭し、デジタルスキルがコモディティ化する未来において、最後に差をつけるのは「人間としての熱量」と「他者を巻き込む力」です。
結論:スポーツは「右側」を育てる最後の砦
デジタルネイティブ世代の彼らは、効率的に解を導くことには長けています。だからこそ、私たち大人は、あえて非効率なコミュニケーションや、リーダーシップを振るわざるを得ない環境(スポーツ)を用意してあげる必要があります。
「データは読めるけど、人の心が読めない」
「アプリは作れるけど、チームが作れない」
そうならないために。グラウンドという教室で、私たちは今日も「人間力」を問い続けます。
