「書く」だけで野球が上手くなる? 行動目標を三日坊主で終わらせない『PDCAノート』の魔術
前回の記事で決めた「行動目標」も、やりっ放しでは意味がない。成長を止める最大の敵は「忘却」だ。多くの選手が書いている「ただの感想文(日記)」と、プロが書く「野球ノート(成長記録)」には決定的な違いがある。1日5分で自分を客観視し、確実に階段を登るための「PDCAライティング術」を伝授する。
はじめに:なぜ、昨日の練習を覚えていないのか?
「先週の火曜日、どんな意識で素振りをしましたか?」 こう聞かれて、即答できる選手はほとんどいません。
人間の記憶は脆いものです。 どんなに素晴らしい「行動目標(毎日〇〇する)」を立てても、記録していなければ、それは「やったつもり」になって霧のように消えていきます。
自分を確実に成長させる唯一の方法。 それは、「自分の行動を記録し、評価し、修正する」こと。つまり野球ノートです。
1. 「日記」を書くな、「データ」を残せ
多くの選手のノートが続かない、あるいは効果が出ない理由は、それを「日記(Diary)」として書いているからです。
× 日記:
「今日は暑くて疲れた。でも頑張って素振りをした。明日も頑張りたい。」
これはただの感情の吐露です。読み返しても反省材料がありません。
〇 ノート:
「目標:ヘッドを立てる。実績:50スイング中30回はOK。課題:疲れるとヘッドが下がる。対策:明日は30回に減らして質を保つ。」
これは「データ」です。明日やるべきことが明確になります。
2. 野球ノート専用「PDCAフォーマット」
効果的なノートを書くために、文章力は不要です。 以下の4項目を埋めるだけで、あなたのノートは最強のコーチになります。
PPlan:今日のテーマ
何を意識して練習するか?(例:逆方向への意識)
DDo:実行内容と事実
何をしたか?(例:ティー打撃50球。右方向へ30球飛んだ)
CCheck:気付き・評価
うまくいったか? 原因は何か?(例:脇を締めると打球が伸びた)
AAction:明日の修正案
次はどうするか?(例:明日も脇締め意識を継続する。回数を10回増やす)
このサイクルを回すことこそが、練習の質を高める正体です。
3. 「1行」でいいから毎日書く
「毎日書くのが面倒くさい」 その気持ちはわかります。だからこそ、ハードルを極限まで下げましょう。
最初は「1行」で構いません。 「P:足の上げ方を変えた → C:タイミングが合った」 これだけでも立派なPDCAです。
重要なのは、立派な文章を書くことではなく、「昨日の自分と今日の自分をつなげる作業」を途切れさせないことです。
結論:ノートは「第2の脳」である
頭の中だけで考えていることは、すぐに蒸発します。 しかし、ノートに書けば、それは「外部メモリ」として残り続け、スランプに陥った時にあなたを救う「攻略本」になります。
今日から、ノートを開いてください。 そこには、未来のあなたが待っています。
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