「もっとやりたい!」が止まらない。小学生の集中力をハックする、遊びに隠された『最強ドリル』作成術
小学生の集中力は、大人よりはるかに短い。「同じ練習を繰り返す」ことは、彼らにとって苦痛でしかない。しかし、優秀なコーチは、地味な反復練習を「スリリングなゲーム」に変換する術を知っている。的当て、タイムアタック、ポイント制。理論を「遊び」のオブラートに包み、子供たちが夢中で遊んでいるうちに、いつの間にか身体操作が身についている。そんな魔法のようなメニュー作成の極意を紹介する。
はじめに:「飽きた」は子供からの危険信号
グラウンドの砂いじりを始める子、列に並びながらお喋りする子。これを見て「集中しろ!」と怒鳴るのは、コーチの敗北です。
子供が飽きるのは、やる気がないからではありません。「その練習がつまらない(脳への刺激がない)」からです。
小学生指導の鉄則。それは、「練習だと思わせない」ことです。
1. 鉄則①:すべてのドリルを「クエスト(ゲーム)」にする
素振りを「100回振れ」と言えば苦行ですが、「あのカゴにボールを入れたら10ポイント」と言えば、それはゲームになります。
Ota Methodでは、理論に基づいたドリルを以下のように変換します。
ゴロ捕球練習 → 「宝探し競争」
ボールを宝物に見立て、正しい姿勢で素早く拾ってカゴに入れるタイムアタック。
(狙い:股関節の割り、低い姿勢の維持)
投球フォーム練習 → 「メンコ倒し」
マウンドからボールを投げ、置かれたメンコやペットボトルを倒す。
(狙い:リリースポイントの安定、指先の感覚)
子供たちは「ゲームに勝ちたい」一心で夢中になりますが、その動きの中には高度な身体操作が組み込まれています。これが理想です。
2. 鉄則②:15分で切り替える「バラエティ」
小学生の集中力が持続するのは、せいぜい10分〜15分です。どんなに楽しいメニューでも、30分続ければ飽きます。
- サイクルを回す: 10分打撃 → 10分走塁 → 10分守備。
- 飽きる前に次へ: 「えー、もう終わり? もっとやりたい!」と思わせるタイミングで次のメニューに移るのがコツです。この「飢餓感」が次回の練習へのモチベーションになります。
3. 鉄則③:説明は30秒以内、あとは「やってみよう」
子供は、長くて論理的な説明を聞いていません。コーチが延々と理論を語っている間、彼らの頭の中は「今日の給食」でいっぱいです。
- 説明は短く: 「膝をこう使って…」ではなく、「カエルのように跳ねて!」とイメージ言語で伝える。
- まず動かす: やりながら修正する。止まって聞く時間を極力減らす。
結論:遊びの中に「理(ことわり)」を隠せ
名コーチとは、最高の「遊びの提供者」です。グラウンドを、ディズニーランドよりも楽しい場所に変えてしまいましょう。
「今日はめっちゃ遊んだなー!」帰り道に子供がそう言っていたら、あなたの指導は大成功です。なぜなら、その遊びの中で、彼らは確実に成長しているからです。
