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教育哲学

「成長」「停滞」「衰退」を見分け、設計し、切り替える

「最近、伸びていない気がする」「このままじゃ落ちる」――その直感を"設計"に変えるため、3つの状態を定義と言語で揃える。

1. 定義(まず言葉を合わせる)

成長(Growth):
リード指標が上向き、ラグ指標が数週〜数ヶ月の遅れで改善。
例)有効反復率↑、初球ストライク率↑、学習の着手時間↓ → 勝率・打率・評価が後追い改善。

停滞(Plateau):
リード・ラグが横ばい。変動はあるが再現性の天井に当たっている状態。

衰退(Decline):
リードが先に悪化し、やや遅れてラグが下落。疲労・離脱・品質劣化の兆候が重なる。

合言葉:"先に動くのはリード指標"。毎日見るのは結果ではなく変化の兆し。

2. 代表KPI(リード/ラグの見取り図)

スポーツ(野球)

リード:有効スイング率、初球ストライク率、守備送球の再現誤差、睡眠安定度

ラグ:OPS、ERA、勝率

学習

リード:着手90秒以内率、復習間隔遵守、1日要約3行の継続

ラグ:定期試験、模試スコア

仕事

リード:一次ドラフト前倒し提出率、手戻り率、会議時間/決定件数

ラグ:売上、利益、NPS

3. 状態別プレイブック

A. 成長フェーズ(加速と守り)

やる:成功パターンの分解と言語化(誰でも再現できる型へ)

増やす:密度(短時間高集中セット)、共有(良い事例の横展開)

守る:回復(睡眠・栄養・オフ)、撤退基準(無理→無茶化を防ぐ)

B. 停滞フェーズ(更新と実験)

やめる:慣性メニュー(目的と因果が語れないもの)を一つ廃止

変える:入力の質(コーチングの語彙、練習の順序、会議の構造)

試す:5〜20%だけ負荷/方法を変える小実験(期限&評価指標つき)

C. 衰退フェーズ(損失最小化と再起動)

止める:故障・燃え尽き要因(量過多・睡眠欠如)

絞る:重要指標を1つに限定して回復集中(例:睡眠と有効反復率)

再起動:フォーム/プロセスの基礎に戻る→短い成功体験で上向きに

4. 遷移のスイッチ(いつ切り替えるか)

停滞判断:主要リード指標が3週間連続±5%以内 → 実験モードへ

衰退判断:主要リードが2指標以上で−10%以上、かつ疲労/離脱の主観サイン → 即リセット

成長復帰:リードが2週間連続で回復 → 密度と共有を強化

5. 3つの"やめる・増やす・変える"

やめる:意味が語れない会議/量だけの反復/深夜のスマホ

増やす:即時フィードバック(動画/数値)/振り返り三行/回復ルーティン

変える:順序(ウォームアップ→技術→戦術の入れ替え)/語彙(抽象語→具体語)/評価(量→密度)

6. 日次チェック(1分)

今日の状態:成長/停滞/衰退のどれ?(主観でOK)

リード1つ:上げたい指標は?(例:初球ストライク率)

一手:やめる/増やす/変えるのどれ?(1つだけ)

ログ:事実→気づき→次の一手(各1行)

まとめ
状態は選べないが、設計は選べる。
定義を揃え、リード指標を観て、小さく切り替える。
その地道な設計こそが、成長の確度を上げ、停滞を短くし、衰退からの復帰を早める。

ブログ動画
https://youtu.be/rInyRzb-URA?si=HFqQtJGXqtikT9UZ

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