メンタル8分で読める

メンタルとは何か?
── 心を支える12の要素から考える「強さ」と「しなやかさ」

メンタルの12要素を表すインフォグラフィック

1. 「メンタル」とは何か

「メンタル=心」と言っても、その中身は単純ではない。思考、感情、意志、価値観、対人関係など、さまざまな要素が複雑に絡み合っている。

心理学的には、メンタルとは「ストレスや困難に対処し、自分らしく行動できる心の機能」を指す。つまり「強い/弱い」という二元的なものではなく、柔軟性と安定性のバランスが重要だ。

2. メンタルを構成する12の要素

以下は、A-Stitchの研究をもとにした「メンタルの12要素」。自分の状態を理解するための"心の地図"として役立つ。

No要素内容の概要
自尊心自分を肯定し、大切にする気持ち
自己受容弱さや欠点も含めて自分を受け入れる力
自信自分の判断や行動を信じる力
自立心他者に依存せず、自ら考え行動する意識
意志力困難を前にしてもやり抜く粘り強さ
柔軟性状況に応じて考え方や対応を変えられる力
楽観性困難の中にも希望を見出せる前向きさ
感情コントロール怒り・不安・焦りなどを適切に扱う力
共感力他者の気持ちを理解し、寄り添う姿勢
社会性周囲と協調し、建設的に関わる力
責任感自分の行動や結果に対して責任を持つ意識
目的意識生き方や行動の軸となる"Why"を持つ力
メンタルの12要素を示す円形チャート

3. 「強いメンタル」よりも「整ったメンタル」を

多くの人は「強いメンタル」を目指すが、実際に必要なのは「整える力」。

  • 強さだけでは、折れる。
  • 弱さだけでは、流される。
  • 整っている人は、折れず、流されず、立て直せる。

日々の感情や行動を観察しながら、「どの要素が自分に足りていないか」「どの要素が自分の支えになっているか」を見つめ直すことが、メンタルを育てる第一歩である。

4. メンタルトレーニングのポイント

● ① 書き出す

思考や感情を紙に書くことで、客観的に整理できる。

● ② 呼吸を整える

呼吸を意識するだけで、自律神経が安定し、感情の波が静まる。

● ③ 小さな成功を積む

「できた」という経験が、自尊心と自信を育てる。

● ④ 他者と共有する

誰かに話すことで、自分の感情を客観視できる。

呼吸法・ノート記録などのメンタルトレーニング

5. 「メンタル」は筋肉と同じ

メンタルもトレーニングで鍛えられる。一気に変えようとせず、日々の小さな実践を積み重ねよう。

感情を見つめ、思考を整え、行動を積む。それが「心の成長」であり、人間力を高める道。

心のバランスを象徴する天秤や木のイラスト