チームビルディングリーダーシップ

「4年生が緩いチーム」は絶対に勝てない。東北学院大・星監督が説く、最上級生が背負うべき『示し』という責任

「ノリと勢い」で快進撃を続けた東北学院大だが、星孝典監督は釘を刺す。「楽しむこと」と「楽(らく)をすること」は違う。チームが本当に強くなるためには、自由な雰囲気の中でも、最上級生が踏ん張り、規律というタガを締め続けなければならない。後輩は先輩の背中を見て育つ。言葉ではなく「姿勢」で示しをつけることの重要性と、学生スポーツにおける4年生の役割について解説する。

下級生に背中で「示し」をつける最上級生の姿

はじめに:勢いだけのチームが脆い理由

「チームの雰囲気は最高です!」
そう語るチームが、大事な試合であっさり負けることがあります。
なぜでしょうか?

それは、その「雰囲気の良さ」が、単なる「仲良しごっこ(緩み)」になっているからです。
東北学院大学を優勝に導いた星孝典監督は、この記事の中で、強さを持続させるための唯一の条件を語っています。

「最上級生が踏ん張って、示しをつけること」

▼参照記事:

東北学院大・星孝典監督(下)「甘えず、踏ん張ることも大切」

1. 「自由」と「甘え」の境界線

星監督が持ち込んだ「ノリと勢い」は、諸刃の剣です。
一歩間違えれば、規律のない動物園になってしまいます。

この境界線を守るのが、4年生の役割です。
練習がキツい時、試合で劣勢の時。
下級生が「もう無理だ」と顔を歪めた瞬間、4年生がヘラヘラしていたらチームは終わります。

ダメな4年生: 辛い時に一緒になって手を抜く(甘え)。

強い4年生: 辛い時こそ、「ここが踏ん張りどころだ」と背中で示す(自由の中の責任)。

「示しをつける」とは、偉そうに命令することではありません。
「苦しい時に逃げない姿勢」を見せることです。

2. 後輩は「言葉」ではなく「基準」を見ている

「お前ら、ちゃんとやれよ」
口だけで言う先輩は、今の学生には響きません。

下級生が見ているのは、そのチームの「基準(スタンダード)」です。
「あの4年生がここまで泥だらけになってやっているんだから、俺たちがサボれるわけがない」
この無言の圧力が、チーム全体の基準を引き上げます。

星監督が求めた「忍耐力」とは、単なる我慢ではありません。
「自分たちがチームの基準である」という、最上級生のプライドのことなのです。

最上級生の規律がチームを繋ぎ止めるアンカーの役割を果たしている図解

チームの雰囲気が浮つきそうな時、4年生という「錨(アンカー)」がしっかり地面に刺さってチームを繋ぎ止めている

3. 社会に出る前の最後の授業

大学野球の4年間は、社会に出るための準備期間です。
社会に出れば、「ノリ」だけでは通用しない理不尽な壁にぶつかります。

その時、逃げずに踏ん張れるか。
「学生時代、あれだけ苦しい時に俺たちは崩れなかった」
その自信(グリット)こそが、野球部生活で得られる最大の財産です。

4年生が踏ん張り、示しをつけたチームだけが、歴史を変えることができます。

結論:4年生の「背中」がチームの顔になる

もしあなたのチームが伸び悩んでいるなら、戦術を見直す前に、最上級生の顔つきを見てください。
彼らは踏ん張っていますか?
甘えていませんか?

「強いチームには、必ず『かっこいい4年生』がいる」

これは、いつの時代も変わらないスポーツの真理です。

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